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DREDGE[ネタバレ感想]

良作。

プレイ時間はだいたい5-8時間ぐらい。

プレイ感は無料ゲームをリッチにした感じに近い。

ゲーム進行や難易度のバランスが良かった。

 

ゲーム概要

 

船操作して海で漁をするゲーム

クトゥルフ要素があり夜になるとSAN値が溜まって実被害を及ぼす幻覚を見始める。

SAN値は永久的に蓄積せず街で寝ると治る。

怪しげな男の依頼で4つの群島から遺物をサルベージするのがメインストーリーだが基本的には特定の魚を取ってくることでストーリーが進む。(「研究サンプルで魚を持ってきてほしい」など魚を取ることでタスクをこなし、最終的に遺物の発見につながるという流れが基本)

 

プレイ感

夜の漁は危険なため、基本的にではあるが朝出航して夜までに街に帰港し朝まで寝てまた帰ってくるのがルーチンである。夜にしか釣れない魚がいるのでビビりながら夜の漁をしなければならないこともある。

 

 

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上の画像の右側にあるような船の積載エリアに釣れた魚を入れていくのだが、船のスペックに大きくかかわるモーターなどのパーツも積載エリアの特定の箇所に積む必要がある。

岩礁にぶつかる、夜に出る怪物に襲われる、SAN値低下などでダメージを食らうと積載エリアにランダムで穴が開く。(左下にある赤い×が穴)

穴は積載している箇所の物の有無にかかわらず空くため、魚を詰め込んでいる箇所に穴が空くとその魚は強制廃棄される。

このゲームの面白いところとして、釣り道具、モーター、ライトなどの船のスペックに関わるパーツの部分に穴が開いた際はそのパーツが使用不能になる。船の基礎スペックはあまり高くなく、船のパラメータは基本的にパーツに依存しているため、モーターが使用不能になると性能がガタ落ちする。

例えば、船の速度を大きく上げるモーターをつけていても、操舵ミスで船を岩礁にぶつけ、モーターが使用不能になるとモーターによる速度上昇は一切なくなり、ゲーム開始時の一切パーツをつけていない状態と同じ速度となる。

特に遠くに遠征しようとする際にモーターが使用不能になると夜までにたどり着けなくなるので割と困る。

このゲームは最序盤でSAN値は上昇と引き換えに「拠点への即時帰還」が可能になる能力がもらえるため、海のど真ん中でモーターが壊れて夜になり神話生物になぶり殺しにあうみたいなことはない。が、また漁港に戻って修理してまた遠征みたいな面倒なことになる。

ダメージは夜の航行や怪魚による攻撃でも発生するため船を強化したから夜を軽視できるというわけではなく、ゲーム後半でも夜に緊張感があるのがよかった。

 

また、船の改修、パーツの研究要素などのアップグレード要素があるのだが少しだけ稼ぎを入れると次のエリアに問題なく進める。稼ぎと進行のバランスがこのゲームは非常に良かった。

ゲーム内のコンテンツに対するゲームの長さのバランスも良い。このゲームにさらにストーリーを追加して総プレイ時間40時間ぐらいのゲームにされるとおそらく途中で飽きており、あまりいい評価とはならなかったと思っている。飽きがくる手前でちょうど終わるいい塩梅だった。

 

世界観など

この世界は片足終末に突っ込んでいる。

クトゥルフ的な世界観は実は現在の世界が薄氷の上で、特定の場所/瞬間では狂気が顔を覗かせ狂気的な世界に迷い込んでしまうという体裁をとることが多いと思うが、この世界は狂気が蔓延しており、特に海洋系の従事者は狂気に飲まれている人間がちらほらいる。

ストーリーの節々にこの世界の終末具合が出てきて、特定地域とかではなくこの世界全体的におかしいのが分かってくる。

 

また、漁をしていると何かに侵された奇妙な魚、変異種が釣れるのだが、これもまたこの世界の異常を示している。

 

この変異種、ビジュアルや図鑑の説明文がよくできている。

明らかに生物として逸脱しているビジュアルで初めて変異種を釣り上げたときは気持ち悪くてちょっと声が出た。また、図鑑の説明を読むとビジュアル以上の狂気が仕込まれていることもある。

 

個人的には単眼カレイが好きで、見た目は目が異常に発達し単眼となったカレイでこれだけでちょっと気持ち悪いのだが、説明を読むと目玉に何かしらの卵に寄生されており、単眼と名がついているが眼としての機能を果たしているか怪しく、寄生で内部から無理やり膨れ上がった影響か水晶体が零れていることが分かり、二段底の気持ち悪さになっている。

こんなものが泳いでおり、また街の魚屋が存在を認知している(こんな魚は珍しい程度の頻度で見かける)あたり、この世界の終末具合が分かる。

 

単眼カレイが好き

ゲーム的には少し高めの魚でしかないのだが、各魚に何種類か変異種が用意されており、非常に凝っている。

自分が収集要素はあまり好きではないためスルーしている部分が多いが、収集要素が好きな人間は全部釣って説明文とビジュアルで想像を膨らませるのも一興だと思う(楽に収集できる方法があるからそこまで時間はかからないはず)

 

まとめ

ゲーム進行、ビジュアル、世界観の出来もよい良作。

2000円程度で通し5-8時間というのはタイムパフォーマンスとしてはお世辞にも良いとは言えないが、ビジュアルや世界観は非常に良く値段も納得感はある。

個人的にはゲームとしては気持ちよく終われるという点において評価が高く、とにかく全体としてバランスが良かったと感じる一作だった。

 

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