miinneariのブログ

ネタバレ隔離のためのブログ。ネタバレが多くなる予定なので注意

雑談:SNSと露出狂

一般的にSNSは「対人交流」として使っている人が多い。本来のSNSという名前、仕様を考えると一般的な使い方だと思う。

逆に(この仕様を考えると)特殊な運用として「意見表明」の手段としてSNSを使っているひともいる。これは交流という相互なものではなく一方通行なものである。

一般に意見表明としてSNSを使っている人間は、端的な文章を使い、太字やカラー、画像を付け加えて意見を分かりやすくし視認性の面で優れていることが多い。加えて一方通行であるが完全に交流としての文脈を捨て去っているわけではない。

一方、自分の基本的なSNSの運用は「意見表明はするがそれに対する反応は期待していないし、反応に返答する気もない」というのがスタンスであり、どちらかというと「意見表明」に近い。しかし、意見表明が一方通行なのに対して、このスタンスはそもそも交通がない、伝達のベクトルがないに等しい。こういう運用をしている人は少ないが一応同類の人間も観測している。

このブログも見やすいようにする努力というのをあまり行っておらず、孤立した状態ではある。単に私の作文能力不足である部分も大きい。が、その心がけもせず意見表明するのは本来のSNS(やブログ)の文脈を考えると変な話だ。

 

「「意見表明」する以上わかりやすくする努力は必須である。」「本来交流すべき場所で意見表明を行いそれを伝える努力をしないのは行動の意図が読めない」と感じる人もおそらく多くいるのではないかと思う。

ただ、この一見不可解な行動、自分の中では妥当な行動だと思っている。

 

この「交流の場で自分の意見をしゃべって伝える努力を行わない」ひいてはSNSを使う心理というのは概ね露出狂の心理で説明できるのではないかと考えている。

露出狂に詳しいわけではないのだが、「思いっきり他人に見せに行くタイプ」と「ただ公共の場で露出して楽しむタイプ」がいる。

前者は他者の反応が目的としており、「対人交流」「意見表明」するタイプがあてはまる。

そして、後者は要するにみられているかもしれないというシチュエーションを大事としてるタイプである。

見せに行くのではないので反応が重要ではなく「場」が重要なのである。もっというと公共の場で「自分が」露出しているというのが重要であり、根本的に「自分が露出している」という部分にフォーカスがある。

要するに前者が他人の反応を見て楽しむのに対して、後者は自分が行っている行為そのものを楽しんでいる。何かの偶然で他人に反応されるかもしれないが、エスカレートしない限り他人に見つからなくても後者の露出狂は満足し続ける。もちろんある程度グラデーションのある話ではあるのだが、後者の露出狂の極致が「説明する気のない意見表明」である。

 

誰かが見ているかもしれないところで「(説明する気のない)意見表明」している自分に満足しているのである。それは根本的に誰かがみる必要はなく、分かってもらう必要もない。

 

 

というのを大体1時間で書いた。わかりやすくする気はないとは書いたが、「できるできない」と「やるやらない」は大きく違うので一応見やすく書きたいなとは考えている。

誰にも分らない意見を表明する行為が深夜の公共の場で露出する行為に近いというのは何となく思っていて個人的にはしっくり来ているのだが、あえて文章にすると説明が難しい。

書いてて思ったが、「ただ公共の場で裸になっていたのがだんだん刺激を求めて他人の反応を求めに行く」というのは割とありそう。その流れを「意見表明」の文脈に当てはめると「最初は意見を書くだけだったけど反応が欲しくて直接誰かのコメント欄とかにコメントしに行く」となるが、これもありそう。

うまく交流できていればいいけれども「交流」と「説明する気のない意見表明」は大きく違い、よく見る見当違いのコメントをしている人はそういう流れで生まれているのかもしれない。

 

雑談:ゲームのキャラクター

長い間「ゲームのキャラクター人気はストーリーの人気以上に強さと相関がある」と考えている。

別に統計を取っているわけではないのだが、まあ概ね当たっていると思う。

ストーリーの人気は割と一過性で最終パーティーに入ってたからこのキャラ好きというのはあるあるじゃなかろうか。最終パーティーは特にこだわりがなければ強いキャラになる。

こういうと「強さはぱっとしないけどこのキャラのストーリーが好きだから私は好きだしずっと使ってた」みたいな人を馬鹿にしてるように思うかもしれないが別にそういうわけではない。ただ全体で見たときにまあキャラとして強いやつが結局人気あるよね?というそれぐらいの温度感。

 

言っていることが逆のように感じるかもしれないが、弱すぎると逆転して愛されるパターンもある。

FPSのゲーム:レインボーシックスシージのタチャンカは最初期、設置型のマシンガンを置くというスキルだった。このゲームは攻撃(突入側)と防御(籠城側)に分かれて何ラウンドかゲームを行い、先に一定ラウンド取ったチームが勝ちというゲームである。キルタイムが短いのもあり位置情報が重要なのだが、そんなゲームで目立つ設置型マシンガンに座っていると普通に頭を撃たれて死ぬ。下手すると正面からでも打ち負ける。

もはや舐めプで使われているキャラだったが、公式の悪乗りもありファンコミュニティから熱狂的に愛された(それはそれとしてランクマで使うと怒られるキャラではあった。ちなみにリワークの末現在割と強いキャラになったらしいが、設置型マシンガンの代わりに焼夷グレネードを持っておりまったくの別キャラに改造されている)

 

 

あと、強い弱いにかかわらず、案外(といっては製作に失礼だが)キャラクターのパラメータやスキルはそのキャラの性格に沿ったものとなっている。

「こういうパラメータ/スキルを持ったキャラはどういう見た目/性格か?」

「こういう見た目/性格ならどういうパラメータ/スキルを持っているか?」

というのは当然考えられている。

 

「斧をもった攻撃力の高そうなキャラとか重機関銃を設置するキャラはムキムキのおっさんにした方がいい。」みたいな簡単なものから、「キャラクターの性格に加えてそのキャラクターとかかわりの深いキャラクターと相性がいいようなパラメータに仕上がっている」みたいなものまで。

 

逆に言うとスキルをどういうモノかというのを考えると開発がどういうキャラ造形にしたいのかという意図がくみ取れるということにもなる。

こういう考えをする人は少ない。強いキャラだとスキル相性とかでにらめっこする人間が出てくるのでまだ多少考えている人はいるが、逆に言うと弱いキャラはあんまり見られていない。

現代は特にソーシャルゲームでキャラが飽和気味で中堅ぐらいのキャラはどういう能力で作られているかいまいち深く考えられていないのではないか?

 

そういう面からキャラクターをみるのもまた面白いのではないかと最近思う。

 

 

グランブルーファンタジー グラーシーザー 抱き枕カバー – CyStore(サイストア)

 

 

 

 

 

 

 

と、あまりの集中力のなさと文章能力の低さに少し書く練習をしようという目的でここまで1時間制限のつもりで文章を書いていた。

のだが、実際1.5時間以上かかっている。そもそも文章を書くのにどれだけ時間がかかるのかわかってない模様。あとタチャンカの話に時間かけすぎた。

 

 

パラノマサイト FILE 23 本所七不思議[ネタバレ感想]

この記事にはパラノマサイト FILE 23 本所七不思議の致命的なネタバレがあります。

 

 

 

ADVゲーム、全体のプレイ時間は7時間ぐらい

一応ジャンルはホラー

 

序盤にジャンプスケアが少しあるぐらいで、ホラー話(七不思議)を基にサスペンスが展開されていくので、ホラーを期待して買うとがっかりするかもしれない。

 

基本的に群像劇であり、視点も主要なキャラ4人ぐらいを場面ごとに操作することで最終的な結末へと物語を進めていく方式になっている。

 

https://www.youtube.com/live/UdCw8wf40r8?si=9kubpxqjvzVhNb4l&t=665

あと、入力した名前ではなくsteam名で呼びかけてビビらせる演出とかメタ的な話はちょっとあったりする

 

ちなみに本所七不思議自体は現実にあるらしいです。

 

 

 

 

 

 

 

ストーリー・設定

昭和末期が舞台であり蘇りの秘術に翻弄される人たちを描く。

本所七不思議と呼ばれる9つの怪談話にまつわる呪いの主となった呪主(かしりぬし)はその呪いで人を呪殺し、魂を集めることで人をよみがえらせることができるようになる。

友達が自殺した女子高生、息子を殺された母、事態を収めようとする刑事が呪主となり各々自らの目的のために行動し始める。

 

呪いは対象を殺すという点は共通しているが呪いごとに発動条件が違う。一緒にいるだけで発動可能なものもあれば嘘をつくなど特定の行動をした際に呪い殺せるというものもある。また、蘇りの秘術は人を一定数この呪いで殺し魂を回収することで成すことができる。一般人だと100人程度殺す必要があるが呪いの主であれば一人で数十人分の魂の換算となっており、呪いの主を殺す方が効率的に蘇りへと近づけるということになる。その上、呪主同士では呪いの主になったときに手に入る呪詛珠を奪うことで呪いの能力とそれまでその呪いで集めた魂をはく奪することができる。

こうなるといかに相手を殺すか/どう呪詛珠を奪うかがメインの話となりそうなのだが、前述のとおり昭和末期が舞台で登場人物の倫理観が現代に近い。

友達を生き返らせようとする女子高生は魔が差して殺人を考えるも友達の説得で蘇りを諦める。息子を生き返らせようとしている母親も交換条件とは言え自分が呪いを行使するのは最終手段で基本は魂がたまった人と交渉して呪詛珠を手に入れようとする。

「条件によっては無節操に呪い殺せる」「相手は一般人でも蘇りの秘術は発動できる」という性質に対して基本的に呪主の半分ぐらいは能力を積極的に行使しようとしない

倫理観無用の血みどろバトルがメインになると思っていたがそんな事にはならなかった。呪主になった人物は殺人に対する忌避感が薄くなるという設定があるにはあるが基本的に理性が勝つ描写のほうが多い。(発動条件の読みあいがあったりと能力バトルのような雰囲気を出す場面は一応ある)

 

ストーリーでは大きな流れとして呪いと蘇りの秘術というのはもちろんあるのだが、本所七不思議の呪いとは関係のない20年前の惨殺事件と1年前の誘拐殺人事件の二つの事件、自殺したと思われる女子高生、不審死を遂げた警官と呪いの発生前の事件の話も物語に深くかかわってくる。むしろキャラクターの動機や動きに大きくかかわるのでこちらがメインであるといっても差し支えない。

視点主の一人が刑事ということもあり、話の流れはかなりサスペンスに近い。軽々しく登場人物が死ぬというより一回一回の殺人が重く見られるのも刑事もののサスペンスに近い印象を受ける。

実際、全体の流れとしてこのパラノマサイトという話は本来サスペンスとして展開するストーリーが蘇りの秘術で捻じ曲げられバッドエンドとなるのを視点主たるプレイヤーが空間時間を行き来し蘇りの秘術とは無関係な世界線へと戻す話になっている。

 

また、殺人、生死、呪いというシリアスな話がメインではあるが、コメディ要素、会話が多分に含まれていて、割合明るい雰囲気でストーリーが進行していく。大分シリアスなシーンでもわりと笑える話を挟んでくる。がんばれ国家権力の画像を見た人も多いと思う。

また、視点主のほとんどが呪主+非呪主というバディで行動していてバディものとしての要素も多分に含んでいる。キャラの掛け合いも軽口をたたくようなものがおおく、キャラもの、バディものとしても大いに楽しめる内容となっている。

 

ゲームとして

このゲームは選択肢を順番に選びすべての話を聞き終わると次の展開に行くという一般的なADVゲームと同様に進行するが、いくつかの場面では推理をし謎解きをする必要がある。この謎解きのタイミングが良かった。話の流れがややこしくなったり、注目すべき新事実などには選択肢の問題を与えて、プレイヤーが解き明かすという手順を踏ませており、自分で解いたことでそこでストーリーの流れを自分の中で整理できた。

あと、資料集が逐一更新される上ゲーム中いつでも参照できるのがすごい便利だった。謎解きの際に資料からの情報だけで正解の選択肢にたどり着けるようになっているのも親切だった。

総じてこのあたりのシステム周りは丁寧でよくできていた。

 

まとめ

ADVゲームは途中で飽きるタイプなのだが、このゲームは集中してプレイすることができた。

話の面白さと話の本筋に対して重くなりすぎないキャラ同士の掛け合い、いつでも確認できる資料集で予想や推理ができるという点で評価が高い。

 

ダメだった点は、好きになったキャラが救いようのないレベルの悪役だったことです。

 

 

 

三体[ネタバレ感想]

三体の軽い感想(ネタバレ込み)

 

 

 

中国のSF作家が書いた長編SF。

ハードカバー6冊という長さだが、割とずっと面白い。

3巻の唐突な作中小説は困惑して読むの遅くなったけどそこ以外はのめりこめた。

 

 

 

 

SF小説は突飛な現象や突飛なガジェットの存在を仮定すればどういう現象が発生するか?というところが見どころの一つだと思っているのだが、この辺りは全体を通してずっと面白かった。粒子を特殊な方法で操作し、高エネルギー加速器の研究結果の結果を狂わせることで基礎研究を狂わせ、対抗策の研究を妨害するのところとかが好き。逆に発想が突飛すぎてそれはありなのか?となることもままあった。例えば上の粒子を加工するための特殊な方法というのが、11次元の粒子を2次元に展開してプログラムを組み込むとかなので、それはできるのか?と思ってしまった。SFにそんなツッコミは野暮で所と言われればそれはそうなんだが、一部そういうところが気になるところではあった。

しかし、基本的には一部が突飛すぎるだけで地に足がついてそうな理論が多く、「その発想はなかったけど言われてみればあり得るかも」と思えた。またそれに対する社会の反応もしっかり描写されて面白った。

 

 

登場人物も魅力的で、史強、羅輯、章北海、程心と好きになれるキャラが多かった。

特に羅輯は二巻終盤で「一巻と同じでなんかこの後ヤバそうだねで終わりでしょ」って思ってたら最後の最後で盤面を一人でひっくり返したのがすさまじかった。そのあとはマスターヨーダみたいになってたし、最後まで格が高かった。

章北海と史強に関しては普通に人気そうだし、好きにならない人のほう少ないと勝手に思っている。

逆に程心は検索の候補を見る感じあまり人気がなさそうで、この人気のなさに関しては割と納得できるところではある。一巻の主人公汪淼に近くて状況に振り回されて、その上他者愛ゆえに判断を誤り続ける。合理性の塊のトマスウェイドが冷酷無比で正しい判断をし続ける横で程心がそれを否定し滅亡へと向かっていくのを数度見せられるから人気がでないのは当然。ただ、そういう愛という非合理性が宇宙の絶対法則ともいえる暗黒森林理論に逆らう人類種として独特の存在感を放っていて好きだった。

あと、他者愛ゆえに判断を誤り多くの人類を犠牲にする選択をするが、他者を愛するゆえに他者に愛され助けられ生存し続け、無関係とは言い切れない命が潰え続けるのを見ながら生きていく所とかが個人的には好き。3巻ラストで程心が質量を返す選択をするのは程心らしい判断で、これも後々誤った判断だったと後悔するだろうなという確信が個人的にはある。

 

 

あとこの三体、二義的におもしろいところが全体を通してちりばめられている。

三体星人とか地球の協力組織のやり方が迂遠で変な意味で面白かった。

「三体星人に興味を持ってもらうために三体星の環境を模擬したリアルなゲームを作って暦を解析できた人と接触、三体の協力組織への勧誘を行おう」という徹夜で会議した結果生み出されたかのような方法で勧誘を行っていた。しかも組織は内部分裂しかけている。もっと別のところに金をかけたほうがよかったのではなかろうか。というか三体問題に気づくのが最初の問題なのにゲーム名三体にするのがまずどうなんだ。

三体ゲームとかカメラ撮った瞬間だけちくわ大明神して精神を不安定にするとか三体星人新技術開発記とか面壁者と破壁者とかいろいろ変なところはある。

 

 

 

 

色々言ったが社会の情勢変化、異星人とのコミュニケーション、宇宙の理屈、愚かな人類を時間空間スケールを常に拡大させながら書ききってずっと面白い化け物みたいな作品だった。

細かいところまで書き始めるときりがないのでこのぐらいにしておく。

 

DREDGE[ネタバレ感想]

良作。

プレイ時間はだいたい5-8時間ぐらい。

プレイ感は無料ゲームをリッチにした感じに近い。

ゲーム進行や難易度のバランスが良かった。

 

ゲーム概要

 

船操作して海で漁をするゲーム

クトゥルフ要素があり夜になるとSAN値が溜まって実被害を及ぼす幻覚を見始める。

SAN値は永久的に蓄積せず街で寝ると治る。

怪しげな男の依頼で4つの群島から遺物をサルベージするのがメインストーリーだが基本的には特定の魚を取ってくることでストーリーが進む。(「研究サンプルで魚を持ってきてほしい」など魚を取ることでタスクをこなし、最終的に遺物の発見につながるという流れが基本)

 

プレイ感

夜の漁は危険なため、基本的にではあるが朝出航して夜までに街に帰港し朝まで寝てまた帰ってくるのがルーチンである。夜にしか釣れない魚がいるのでビビりながら夜の漁をしなければならないこともある。

 

 

https://cdn.cloudflare.steamstatic.com/steam/apps/1562430/ss_d4d4b14c5cd071307e27b4e9737f23f28b096248.1920x1080.jpg?t=1691156571

 

上の画像の右側にあるような船の積載エリアに釣れた魚を入れていくのだが、船のスペックに大きくかかわるモーターなどのパーツも積載エリアの特定の箇所に積む必要がある。

岩礁にぶつかる、夜に出る怪物に襲われる、SAN値低下などでダメージを食らうと積載エリアにランダムで穴が開く。(左下にある赤い×が穴)

穴は積載している箇所の物の有無にかかわらず空くため、魚を詰め込んでいる箇所に穴が空くとその魚は強制廃棄される。

このゲームの面白いところとして、釣り道具、モーター、ライトなどの船のスペックに関わるパーツの部分に穴が開いた際はそのパーツが使用不能になる。船の基礎スペックはあまり高くなく、船のパラメータは基本的にパーツに依存しているため、モーターが使用不能になると性能がガタ落ちする。

例えば、船の速度を大きく上げるモーターをつけていても、操舵ミスで船を岩礁にぶつけ、モーターが使用不能になるとモーターによる速度上昇は一切なくなり、ゲーム開始時の一切パーツをつけていない状態と同じ速度となる。

特に遠くに遠征しようとする際にモーターが使用不能になると夜までにたどり着けなくなるので割と困る。

このゲームは最序盤でSAN値は上昇と引き換えに「拠点への即時帰還」が可能になる能力がもらえるため、海のど真ん中でモーターが壊れて夜になり神話生物になぶり殺しにあうみたいなことはない。が、また漁港に戻って修理してまた遠征みたいな面倒なことになる。

ダメージは夜の航行や怪魚による攻撃でも発生するため船を強化したから夜を軽視できるというわけではなく、ゲーム後半でも夜に緊張感があるのがよかった。

 

また、船の改修、パーツの研究要素などのアップグレード要素があるのだが少しだけ稼ぎを入れると次のエリアに問題なく進める。稼ぎと進行のバランスがこのゲームは非常に良かった。

ゲーム内のコンテンツに対するゲームの長さのバランスも良い。このゲームにさらにストーリーを追加して総プレイ時間40時間ぐらいのゲームにされるとおそらく途中で飽きており、あまりいい評価とはならなかったと思っている。飽きがくる手前でちょうど終わるいい塩梅だった。

 

世界観など

この世界は片足終末に突っ込んでいる。

クトゥルフ的な世界観は実は現在の世界が薄氷の上で、特定の場所/瞬間では狂気が顔を覗かせ狂気的な世界に迷い込んでしまうという体裁をとることが多いと思うが、この世界は狂気が蔓延しており、特に海洋系の従事者は狂気に飲まれている人間がちらほらいる。

ストーリーの節々にこの世界の終末具合が出てきて、特定地域とかではなくこの世界全体的におかしいのが分かってくる。

 

また、漁をしていると何かに侵された奇妙な魚、変異種が釣れるのだが、これもまたこの世界の異常を示している。

 

この変異種、ビジュアルや図鑑の説明文がよくできている。

明らかに生物として逸脱しているビジュアルで初めて変異種を釣り上げたときは気持ち悪くてちょっと声が出た。また、図鑑の説明を読むとビジュアル以上の狂気が仕込まれていることもある。

 

個人的には単眼カレイが好きで、見た目は目が異常に発達し単眼となったカレイでこれだけでちょっと気持ち悪いのだが、説明を読むと目玉に何かしらの卵に寄生されており、単眼と名がついているが眼としての機能を果たしているか怪しく、寄生で内部から無理やり膨れ上がった影響か水晶体が零れていることが分かり、二段底の気持ち悪さになっている。

こんなものが泳いでおり、また街の魚屋が存在を認知している(こんな魚は珍しい程度の頻度で見かける)あたり、この世界の終末具合が分かる。

 

単眼カレイが好き

ゲーム的には少し高めの魚でしかないのだが、各魚に何種類か変異種が用意されており、非常に凝っている。

自分が収集要素はあまり好きではないためスルーしている部分が多いが、収集要素が好きな人間は全部釣って説明文とビジュアルで想像を膨らませるのも一興だと思う(楽に収集できる方法があるからそこまで時間はかからないはず)

 

まとめ

ゲーム進行、ビジュアル、世界観の出来もよい良作。

2000円程度で通し5-8時間というのはタイムパフォーマンスとしてはお世辞にも良いとは言えないが、ビジュアルや世界観は非常に良く値段も納得感はある。

個人的にはゲームとしては気持ちよく終われるという点において評価が高く、とにかく全体としてバランスが良かったと感じる一作だった。

 

store.steampowered.com

 

 

 

 

BLUE PROTOCOLネタバレ感想

この記事にはBLUE PROTOCOLの致命的なネタバレがあります。

 

 

 

 

BLUE PROTOCOL、とりあえずサービス開始時まで公開されていたストーリーを終わらせて大体レベル45になってある意味一区切りついたので感想でも書こうかなと。

 

最高におもしろいゲームか?といわれると微妙だけど、休日にぼーっとやっていると休日が溶けているゲームといった感じ。

 

色々な要素でMMOというより全体的にソーシャルゲームに近いと思う。実はアクションがあるグラブルというたとえが一番近いのでは?と思っている。そのうち古戦場が始まるかもしれない。

 

ストーリー部分

あらすじ

主人公は記憶を失った状態で遺跡で目覚め、そこで魔物に追われる亜人の少女フェステと出会う。フェステを守るため魔物を退けた主人公は気を失い、フェステが身を寄せる宿に運び込まれる。目覚めた主人公はフェステに渡された宿の帳簿にサインするが、それは実は帳簿ではなく主従契約に関する書類であり、騙された主人公はフェステの下僕となってしまう。比較的善人かつ守銭奴であるフェステは下僕となった主人公の高い戦闘技術に目をつけ、生活費を稼ぎながら失くした記憶の手がかりを得るため冒険者として活動することを提案する。そうして主人公とフェステはなんだかんだ和気藹々と冒険者として活動を始める。

数度依頼をこなし、古代文明の塔に訪れた際に、古代の魔物アバリティアに襲われているエーリンゼとその従者であるティリスという二人組の少女に出会う。アバリティアを倒し事情を聞き出そうとした時、突如、伝説の存在である竜王ヴォルディゲンが現れ倒したアバリティアを吸収する。ヴォルディゲンは主人公らを一方的に敵視し襲うが、ヴォルディゲンに勝てないことを悟ったエーリンゼは主人公らと共に塔の機能を使い逃げ切ることに成功する。逃げた先は主人公が塔を訪れる少し前の過去の塔であった。

時間操作技術を知ったことでティリスに協力か死を迫られた主人公は協力することを選択する。エーリンゼとティリスは自分たちがアバリティアによって滅びを迎えつつある1000年先の未来から来たこと、アバリティアは過去の改変の結果生まれた歪みであること、未来のアバリティアによる滅亡を避けるためアバリティアが対応可能な1000年前に戻りアバリティアを解放し歪みを正すことで未来を救おうとしていると事情を打ち明ける。

こうして、竜王の目をかいくぐりながらアバリティアを解放するフェステ、エーリンゼ、ティリスとの旅が始まった。

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上のあらすじが序盤の終わりぐらい。(うろ覚えなので間違いはあるかも)

 

一応下記内容では現状のストーリーの最後までのネタバレをするので注意。

ストーリー感想

まず悪い点

特に序盤や登場してすぐのキャラに顕著だが、キャラクターをたてるために大げさに書いた結果目が滑るシーンがそれなりにある。これはゲーム媒体で会話をあまり長くできないという点で多少仕方ない部分もあるがそれにしても悪目立ちしていた。

あとキャラクターの構想があってそのあとにストーリーを書いたと邪推してしまうようなシーンもある。例えばフェステは主人公を”下僕”と呼ぶが、これは最序盤に主人公が下僕の書類にサインをしてしまい、下僕となってしまうためである。しかし、この契約書これ以降もう1回出るぐらいで全然出てこない。法的拘束力があるのかもストーリーではこれ以降説明も特にない。もしかすると尺がなくて削ったのかもしれないが唐突だった。

結局、やりたいこと(この会話内容で示したいこと)はわかるが、ストーリーの全体的なバランスが損なわれているように感じることがそれなりにあった。「このキャラはそういうことを言うのか?」「どの程度の雰囲気で見るべきなのかわからない。」などの違和感はストーリーの全体で付きまとっていた。

 

次にいい点。

フェステの善人で守銭奴というのも割合陳腐化しているキャラクターだけど、善人過ぎても守銭奴過ぎてもダメなバランスが大事なキャラで、バランスを崩すと一気にどっちつかずなしょうもないキャラになると思っている。この点このゲームではそのバランスの部分は本当にちょうどよかった。(まあこれは声優の演技に助けられている部分も多そうだが)

あと、設定などは非常におもしろいものが多い。「過去に戻って自分を殺すとどうなるか?」に対してそれが起ると矛盾で世界が歪む。その歪みが世界を壊すアバリティアという魔物としてあられる。というのは割合好きな設定。未来では味方だけど現代では敵対しているキャラ、とか独特でいい。

ストーリーの流れに関しても大筋ではすごいいい。個人的に意外性が結構しっかりあって、なおかつ納得感がありテンポも悪くないのが点数高い。例えばアバリティアという古代の魔物の出現で不穏な雰囲気を出した後、ラスボス存在と偶発的に遭遇してしまうというのは無難な流れだけど、そこから1000年後の未来人もいてタイムスリップして難を逃れるっていうのは意外性がある。かといって一番初めにSF的な描写を出しているからそこまで唐突でもない。

エーリンゼではなくティリスが捕まってしまうのも意外だったけど、ティリスならそうするしティリスを助けるためにエーリンゼも行動する。というのも普通に飲み込める。上記の悪い点の部分で「ゲームの媒体が~」みたいなことを書いたけど、ここでは逆に「エーリンゼは主人公に対する呼び名もないしパーティーにも入ってこないからまあ死ぬんやろうなぁ」みたいなゲーム上でのメタ読みが逆手に取られた感じがあったのが本当に良かった。(偶然かもしれんが)

 

話の転換点や話の流れは面白く感じる一方で首をかしげるシーンも多いって感じ。

 

まあ、MMOのストーリーに何期待しているの?といわれると、それはそうだが、多少の期待はできるぐらいの信頼値は溜まっている。

 

キャラ

フェステ

お前その広告でいいのか

チュートリアル役と守銭奴キャラと善性がすべて混ざった結果、序盤はちぐはぐ感がすごい。そして、段々いい感じになってきたと思ったら、今度は脚本の都合で急に歌ったり突然語りかけたりする。全体としてお前そんなキャラだった?ってなるシーンが多い。

亜人だが同じ種類の亜人と出会ったことがないらしいので、正体予想ダービーが自分の中であつい。

本命:アバリティア

対抗:竜族

大穴:虚数空間の獣関係者

と予想している。

戦闘参加した場合スタン攻撃持ちなのがありがたい。あと、声がかわいい(フレーフレーゲッボックとか)

ティリス

エーリンゼの従者。姫の従者のお堅いキャラ。だんだんと交流を通して主人公を認めるようになる…と思いきや特に大きなイベントもなくすんなりと仲良くなる。

主人公と同じくフェステの下僕契約書に騙されてサインをしてしまい下僕2号になり、下僕の先輩ということで主人公のことを”先輩”と呼ぶようになる。こんなめんどくさい後輩先輩関係マシュ以外にあるんだ。

あと数か月はエロ同人みたいな状態で封印されることが確定している。不憫。

よくあるお堅いキャラが女の子向きの人形が好き展開もある。まあ、1000年前の人形の収集が趣味といわれても、例えると平安時代のひな人形集めているもんだし、かわいいというより金持ちの趣味だなという感想が出てくるが。

エーリンゼ

未来の貴人。アバリティアの解放をできる唯一(?)の存在だが解放には体力を消耗し、いつも疲弊気味。主人公のことも別に特殊な呼び名で呼ばないこともあってキャラが薄い(というよりほかのキャラが濃い)。3章終盤まで戦闘に参加しない。

死ぬ情景を主人公がみるし、戦闘にもなかなか参加しないのでメタ的にも死ぬと思ってたら普通に生存した。

 

ジェイク

こいつは何だったんだ。

最序盤でキャラを滑り気味にたてるが、エーリンゼらとの4人旅が始まると出番がほぼ皆無になる。公式サイトの登場人物紹介で2番目にいるが主人公たちが世話になっている酒場の親父の方がまだ出番がある。

カーヴェイン/アインレイン/シャルロット/アインレイン/ヨルク

別の話の主人公達といった感じで、旅先で出会いお互い協力することもあるが別行動が基本。舞台である公国に関する事件に深くかかわっており、断片的に情報が得られる。現状では「公国の本来の王は幽閉されておりその救出を行おうとした結果、王を殺した冤罪をかぶせられている。」ということがなんとなくわかる。

 

本来の歴史ではこのパーティが主役でヴォルディゲンに対抗した(OPの内容)が、1000年後立ち行かなくなったので惑星意思的な存在が主人公を来者として読んで歴史をもう1週目させていると勝手に予想している。(エーリンゼが死ぬ幻覚は本来あった出来事なのかもしれない)ファンタジージャンルでよくある終盤のSFみたいな展開に真っ先に触れてしまったのが主人公たるプレイヤーたちと考えるとそれはそれで面白い。

エレクトラ

教会に属する銃使いの護衛。丁寧な言葉遣いを使って猫をかぶろうとするが少し興奮するとすぐに乱暴な言葉遣いがでるため猫をかぶり切れていない。猫をかぶり切れていないという意味ではフェステとキャラが被っている。猫をかぶり切れていない系キャラが性癖の人間が開発にいるのだろうか。

正体は竜族であるフレルベが変身した姿であり。敵である竜王ヴォルディゲンの部下で人間に紛れてエーリンゼの動向を秘密裡に伝えていた。人間を見下す発言をするがエレクトラとしての挙動を見るに一応人倫とか常識は理解しており特殊な形ではあるが人間社会に馴染めてはいる。1000年後は記憶を失ってエーリンゼに竜族フレルベの姿で仕えており、味方として登場する。乱暴な言動とは裏腹に誰かに忠誠を誓いたがる性格なのかもしれない。

バシュラール

1000年後の未来における指導者のひとり。最適解を一切の容赦なく選ぶ人物で、エーリンゼを犠牲に人類を救おうとする。

まあ、「二人だけでアバリティアと対抗して一体一体開放すれば今の文明は捨てることになるけど根本的に解決するし滅ぶこともなくなるでしょ」のエーリンゼ案vs「貴人一人犠牲にすれば全部解決」のバシュラール案だったらまあ虚数空間の獣とか関係なく後者選ぶわな。

しかし、紆余曲折の末、人類滅亡を速めてしまう結果となる。

 

皮肉をいう感じの性格でもなさそうだしティリスに対していった1000年前の世界で幸せに暮らすといいっていうのは割りと本音に近かったのかもしれない。

ティリスが捕まってからは神託を操って主人公たちのサポートに回る。こいつが味方にくるとカーヴェインとの敵対フラグが立ちそうだからもっと距離を置いてほしい。

カーヴェインの母親を攫ったのも何かしらの最適解を選んだのだと思うのだけど自分が直に手を下しているのがよくわからないし、すたこら歩いてがっつり目撃された挙句証拠まで残しているのちょっと面白いからやめてほしい。

 

ゲーム部分

戦闘

一応、アクションと銘打っているが基本的に敵の攻撃を避ける程度でそこまで難しいものはない。殴って避けて殴って避けてを繰り返すだけで操作の要求は大したものではない。

今のところボス敵の行動も単体だと4-5個ぐらいパターンがあってHP半分切ると追加行動をしてくる程度のもの。しかも、モブ敵と共通の行動をしたりするのでそこまでバリエーションが多いわけではない。

戦闘に関してはアクションの操作精度より装備の影響が大きいと思う。

 

育成

なんかいろいろ書こうかなと思ったが、細かな話になるし自信もないので簡単に。

現状は基本的に、

メインクエストでダンジョンに入る→サブクエ、アドベンチャーボードを消化しつつダンジョンの追加調査(6人制マルチ)で素材集め、ネームド(強モブ)でレシピ回収→装備作成→メインクエスト→・・・・

をずーっと繰り返す感じ。クエストの成功報酬の経験値が多いこともあってメインクエストを最後まで行けば1クラスの職業はカンスト近くになっているはず。

ネームドは一発攻撃が入ればレシピ回収が可能だし、通常のダンジョン(6人制マルチ)はもはや作業で失敗したことがない。

アドベンチャーボードは実績みたいなシステムであり、それぞれのボードに記載されたタスクをクリアすることで経験値などがもらえるシステムである。最終的なゴールまで終わらせると素材の収集が永続的に楽になるなどの報酬が用意されている。

 

少なくとも1キャラカンストあたりまではクエストとアドベンチャーボードの進行と解放される装備作成を行っていれば大したレベル上げ作業は必要ない。MMOにしてはという但し書きはつくが、レベル上げに関しては良心的である。

ただし、レベルはどちらかというとワールドマップでのMob狩りやネームド狩りに制限をかけるという意味合いが強い。まあ高いに越したことはないが。

 

面倒な点というか勘違いしやすい点として、サブクエストの受注とアドベンチャーボードの進行は数に制限があるということには注意しなければいけない。自分はアドベンチャーボードをただの実績みたいにやっていれば無条件に進行すると勘違いして、多少遠回りしてしまった。

 

職業

色々クラスがあるが最終的には斧(ツインストライカー)が現状強いと思う。攻撃力正義。

強いか弱いかはさておき、人気なのは弓で不人気が剣と思う。

弓は6人マルチで全員弓だったこともあるぐらい人気。一応ヒーラーなのだが通常攻撃が遠距離攻撃で、ロックオン機能があるため正直画面見なくても適当にスキルを回していれば仕事はある程度できて楽。

一方、剣は本当に見ない。根本的に火力が低い上、全職で回避行動の無敵時間が長く、盾受けのうまみがないのが原因か。近接職がヘイトを取らずに後衛職にヘイトが向くと後衛職が即死するみたいなゲームではないので、タンク職は居てもいなくても別に影響がない点においても不人気になっている原因だと思う。

 

育成の項で軽く触れたが一回しかもらえない各種クエストの経験値量が結構多いので、どの職業に割り振るかは考えたほうがいいと思う。

キャラメイク

当初(8年前)はわりとここが騒がれていたがそこまで凝ったものはできない。

自分は女キャラばっかりと聞いて、男の娘キャラを作る予定だったが声とかの都合で諦め、最終的に女装趣味の男設定で主人公を作った。

ちなみに、エステというシステムがあり後から見た目を変えることは可能。最低でも1回分は無料でもらえる。

 

課金要素

バトルパスと装飾系(衣装、マウント)のガチャが課金要素。

おまけでドロップ率上昇系のアイテムとか色々もらえるらしいが、現状のストーリーを追うだけなら特に必要はない。

ちなみに装飾系は実利はないので本当に見た目目的のみである。

 

経済概念

そんなものはない。

上手いこと相場に載って稼ぐ気持ちよさがないのは少し残念な反面、あってもRMTとかいろいろ大変そうだし下手にあるよりは一切ない方がいいかもしれない。

 

まとめ

ストーリーは個人的に期待している。

キャラクターがちょっと変になるのはスルー出来る範囲だし、大筋の物語が意外性に割と富んでいるのが好み。

 

個人で釣り大会が開催されてたり治安わるい名前が闊歩してたりネームドに群がったり歩き狩りをちょっと手伝ったりするのはオンラインゲームっぽくて好き。

逆にいうとオンラインゲームっぽさはその程度で、高難易度でなければマルチも割と適当で何とかなる点、プレイヤー同士の交流もチーム(ギルド)やパーティはあるものの役割の要素が乏しいのでクリアのための交流が必須でない点はソーシャルゲームに近い。

古いMMOがあまりなじめなかった人にむしろ勧めるべきゲームかもしれない。

 

まあオンラインゲームなんてだんだん人が減っていくのが普通だし、速いうちにやった方が旬を感じられていいのではないかと思う。

ティアキンクリア感想[ネタバレ有]

この記事はゼルダの伝説ティアーズオブザキングダムの致命的なネタバレを含みます

                                      

 

 

 

ティアキンクリアしました。名作。

 

メインストーリーに関わりそうなクエスト+気が向いたサブクエストで50時間程度でした。

前作のブレワイをやっていないので前作経験者でストーリー+地上絵だけだと30時間ぐらいでクリアできそう。

 

 

 

ストーリー感想

これはOP→地上絵→EDは本当に良かった。

 

マスターソードがモドレコで戻ってる描写でゼルダが過去行ったことはすぐわかったけど、龍になったことはミネルが禁術の話をするシーンで気づいて普通に驚いた。

この衝撃が自分の中では結構デカくて、最終的に戻るんだろうなとは漠然と思っていたけどこれルート分岐でマスターソード抜いたらゼルダ龍のままとかないよな…ってちょっと不安になったりした。

そもそもタイトルが出るシーンに龍がいるのがちょっとしたヒントになっていたというのに全然気づかなかった。(ちなみに、実プレイ中はあの龍倒したいなとか考えていた(ち、違、私そんなつもりじゃ)。)

本作はこういう何気ないシーン描写に伏線として何かが仕込まれていることが多くてそういう意味では短期間で通してやったのは気づきが多くてよかった。

 

これはふざけて名前を付けたら別の生物になっていたという点ではニアミスしてた馬

 

ストーリーの中ではガノン封印のシーンが一番好き。ラウルの「お前は剣士リンクに倒される」という口上がかっこよすぎてビビった。未来から来たというゼルダに伝えていただけの存在を今際の際で確信をもって啖呵を切るラウルとそれを信じさせるゼルダの善性が感じられる最高の口上だった。

 

 

 

 

地上絵とは逆に各神殿のストーリーはそう…ぐらいのノリで見ていた。とんとん拍子に話が進むのに加えて似たようなセリフの繰り返しで、「主人公が干渉したことですべてうまくいきました」みたいなサブクエストと同じノリを感じていまいち乗れなかった。

 

ゲームプレイ関連

神殿(ダンジョン)

神殿の謎解きが干渉しているわけではなかったせいで別個の謎解き4-5つすれば終わりだったのは残念だった。昔だと「ボスにたどり着くためにどうにかして水位を最大化しなきゃいけない」とかのダンジョン全体を巻き込んで考える要素があったはずだけどそれがなかった。謎を解いたことで次の場所に行けるとかもあまりなく、単に祠がならんであるのとそんなに変わらない状態だった。むしろ神殿に行くための道中のアスレチックのほうが神殿より面白くて、神殿に付くと作業と化していた。

ただ魂の神殿だけは謎解きにウルトラハンドを使う前提だったおかげか工夫し甲斐があって楽しめた。

 

ちなみに、謎解きで唯一迷ったのが水の神殿の高速回転するスイッチ。これは単に空中で弓構えてスロー状態撃つだけだったけど近くに宝箱用のギミックがあったからそっちを使わなければいけないっていう考えに固執したせいで、数十分考え込んだ。

最後まで弓に気づかず結局レーザーを出すゾナウギアを盾につけてごり押し突破した。

 

各神殿のボスに関しては下の仲間に関して詳しく書きます。

 

 

戦闘

戦闘は問題があったように感じたことがちらほらあった。

前作だと武器を集めるのが面倒だとは聞いていたけど、今作ではそれを反省してか魔物素材のストックさえあればそこら辺の武器が一線級に使える武器に早変わりするシステムとなった。これのおかげで強そうな敵を見つけたときに即席で強力な武器を作って戦闘に行ったりできるようになった。加えて盾にも同じく合成が可能でこちらは魔物素材よりもゾナウギアをつけるのも楽しかった(これはクリア後に気づいたけどロケットをつけると盾サーフィンで空中機動もできる)。

ただ、それで戦闘が楽かというとあまりよくない意味でそうではなかった。こちらの攻撃能力が高いせいか相手の攻撃能力が非常に高い。そこら辺のモンスターに一発撫でられるだけで致命傷になる。

じゃあ勝てないか?というとそれも違う。仲間の幻影と一緒にリンチしたり、弓に魔物素材をつけて一方的にヘッドショットし続けてハメることができるので正直苦労せずに倒せる。ただ事故が起こってリンクが死ぬことがたまにある。

自分の場合、一撃で死なない程度のライフにしつつ食らったら即料理で回復する戦術となっていた。その結果矢と食材の購入費で常に金欠だった。

オープンワールドにおいて安定を求めると遠距離から高火力攻撃し続けるというのはよくあることのため本来なら大した問題ではない。のだが、最終的に剣の腕が上達しないままラスボス前のライネルとラスボスのガノンと戦う羽目になった。(両手武器は注目するだけでは盾を構えないとはっきり自覚したのはラスボス直前のライネル戦というぐらいにはまともな近接戦闘を行わなかった)

ただ、これに関してはずっと空を飛んで最短距離でクエスト目標に行っていた自業自得な面が十分にある。基本的に道中のボスっぽいモンスターとは戦ったが剣術(盾受けや回避)で対応するボスと戦えなかったというのもある。もしそういうゲームじゃねえから!って言われたらそれはそう!と返すが、それにしても敵の攻撃力が高すぎるように感じた。二週目やるならまず大妖精で防具強化すると考えているぐらいにはリンクの防御能力が弱すぎる。

 

仲間システム(+神殿ボス)

スキルを使うのに話しかける必要があるのだけどうにかならなかった?

近距離で戦おうが遠距離で戦おうが撃ちたいタイミングで打てないのは使い勝手が悪すぎる。チューリがパラセールを開くと後ろについてきていつでもスキルが使えるというだけでチューリへの好感度が高くなり続けるぐらいには不便だった。

 

以下各キャラ+加入神殿のボス感想

 

チューリ

高速で驕って反省して認められた。

ゼルダ(偽)に気を取られなかったらリンクを頼る必要はなかったにもかかわらずちゃんと反省して、子供はもう少しわがままでええんやでという気持ちになっていた。

上方向に風が起こせないせいで当初多少の失望があったが、なんだかんだ移動で使える上遠距離攻撃という有能さで好感度が高くなっていたキャラ。

風の神殿のボスはなんか大したギミックもなく弓を撃ってたら死んだ。

 

ユン坊

金を持ったら人が変わった展開かと思いきやゼルダ(偽)に操られていた被害者だった。テイルズだったら操られたということを村人に信じられず追放されて仲間入りするタイプだと思う。

スキルは火というより岩。でも、岩盤を割ったり強制ダウンさせる岩要素に加えて、敵や薪を燃やしたり火要素も便利なので両属性で助かっている。木製の乗り物に乗っているときに手癖でスキルを撃つと乗り物が燃えること以外は便利。

火の神殿のボスはモドレコとの併用でサクサク倒せたのがすごい楽しかった思い出。

 

ゾーラ族の王子

なんかいろいろ不遇な王子。

神殿に乗り込む前に泥水を浄化するため手が離せないからとずっと同じところにいて、ストーリーにあまり絡まない。のちにほかの人を信頼しなさいと婚約者に諭されて戦友と神殿に向かうが、クソボスと戦わされる不遇なキャラ。

スキルも守りたいのか攻撃したいのかよくわからない。防御だけなら敵の攻撃が痛い本作では重要な能力となったにもかかわらず攻撃するとどこかへ飛んでいくのでいまいち使えない。水でぬらせば発動できるギミックがほとんどないのもあって火や風のスキルと比べて存在感が薄い。

水の神殿のボスはカスだった。このボスは移動阻害エリアをばら撒いてそれを解除するには水をかける必要がある。そのため、シドの水をばら撒くスキルを積極的に使って攻略する…はずなのだが肝心のシドが近接でボスを殴りに行ってリンクから離れるためスキルが使いたい時に使えない。「他人頼れって言われたばっかだろ!」と何度か叫ぶ羽目になった。最終的に追跡装置に放水栓をつけた即席散水機をつくって倒した。

 

ルージュ

リンクが撃った矢を狙って雷を撃つ練習をすることで、雷を狙った位置に落とせるようになった。そう…(無関心)

スキルは効果範囲に矢を着弾させると雷を落とすというもの。つまり、結局リンクが矢を撃つことになる。雷はダウンが取れるのでスキル自体は発動さえできれば優秀。だが、ルージュも近接攻撃を主体として戦うので撃ちたい時には撃てない。スキルの発動条件をシドと交換するとおそらくお互いにまだましになると思う。

雷の神殿のボスはギブドを生産してきて鬱陶しかった記憶以外に特にない。

どうでもいいが幻影状態だと同じく体が小さいチューリとよく間違える。

 

ミネル(ゴーレム)

仲間になったとき割とビビった。初代ハイラル国王の姉君だけあって握手がお上品。それはそれとして禁術のやり方をさらっと教えるのやめろ。

スキルの代わりにゴーレム本体に搭乗できる。ゴーレムは通常攻撃一発でダウンが取れる上、スクラビルドで左右と背中にパーツをつけることができる。また瘴気の大地の上を動くことが可能。すごいぞカッコいいぞ。

かっこいい

ただし、ゴーレムへのダメージはそのままリンクへのダメージとなる仕様になっており、別に防御が高くなるわけでもない。つまり単純に当たり判定がデカくなる。また攻撃による瘴気ダメージはリンクへフィードバックされる。正直デメリットが多すぎて戦闘においては自分が載るよりもミネルに操作させた方がいい。

ちなみに、ゴーレムに載ると操作方法が変わる。例えば攻撃ボタンが背中の移動用ユニットの発動ボタンになったりする。このゲーム作った人は攻撃ボタンが急にブーストボタンになったときどういうことになるかを少しは考えてほしい。

魂の神殿のボスは戦う頃には操作に慣れていて普通に楽しかった。

 

 

以上。

 

 

仲間システムが顕著だけど、全体的にゲームシステムとストーリーの組み合わせがちょっとってことがあった。

 

 

 

ウルトラハンド(ビルド要素)

最高のシステム。これだけで上に書いた戦闘とストーリーの文句全部重箱の隅つついているだけといっても過言ではない

こういうシステムはどうしても壁抜けとかが起ったりオブジェクト干渉であらぶった結果主人公が吹き飛んで即死するとかが起って、それを見てゲラゲラ笑うだけで結局大して活用できないことがおおい印象なんだけど、未だに壁抜けも床抜けも起こってないし、異常な物理現象が起こったことがない。その上適当に作ってもちゃんと動いて活用できる。直感的に考えて作ったものがちゃんと動くっていうのは本当にすごい。

海岸の村に15本の丸太もってこいって言われて、面倒だったから無理やり15本の丸太をくっつけたものに車輪と操舵つけて運ぼうとしたんだけど、普通にできてビビった。

こういう発想でズルできる要素があるのいいし、さらにすごいのが基本的にこの能力が制限されないのが本当にいい。そのおかげでずっとズルする方法を考えられる。

 

ブループリントで鉱石があればいつでも作れるのも自由度を上げている。ロケットをくっつけただけの奴をお気に入りに登録してほしいときだけ出していたのは自分だけでないはず。

 

プレイ時間30時間経過して手に入れたブループリント



謎解きも総じてウルトラハンドが絡むものが面白い。つまりこの作品の大抵の場面は面白い。

 

まとめ

名作。

オープンワールド部分が狂気を感じるレベルでしっかりしている分、ストーリークエストは多少気になる部分がある。

 

 

 

余談

余談1:いろいろ台無しな話

これは最低な話だけど、何もわかっていない序盤で「過去に行ったゼルダ」「祠の最後でラウルに寄り添うハイラル人」でNTRやんけ~という最低の連想ゲームが発生したのは俺だけじゃない…はず。

 

装備がムービー反映された結果トンチキな絵面になることが多かった。

盾に石がついていて変な絵面になった序盤のシーン

その影響を加味してかはわからないけど、EDでは強制裸でしたね。(普通に手を強調したかった可能性のほうが高いだろうけど)

 

龍の涙のラストをクリアしたタイミングで絶対にマスターソードを引き抜きたいがために、スタミナ上昇料理をゼルダの上で調理するリンク

結局、本来のスタミナ値が反映される仕様で無駄だった

 

 

余談2:リンクとゼルダ

本作のリンクとゼルダが男女の仲か?という論争があるそうだけど、基本的に他人のベッドで寝ないリンクがゼルダのベッドでは寝るのでそういうことだと思います。